下原地区、稲刈りが始まりました

総社市の中でも下原地区は、平成30年7月豪雨の被害が特に大きかった地域のひとつです。
TVなどでも被害が大きいと連日報道されていた、倉敷市真備町のすぐ隣の地域です。

下原地区は、豪雨による浸水被害もさることながら、豪雨によって浸水したアルミニウム工場の爆発の被害も大きく受けた地域です。
部品や工場の外壁などの飛散物が田んぼに転がり、近隣の住宅では爆発の衝撃で窓ガラスが割れたり、外壁が飛ばされたりするなどの被害もありました。

 

下原地区は、住宅と田畑が広がるのどかな地域です。
毎年秋には黄金色の稲がなる田んぼが広がります。

7月豪雨で、下原地区の田んぼは水害に遭いました。
ですが、幸運にも出穂前の豪雨で、押し寄せた水の圧力もさほど影響がなかったことから、今年もお米を収穫することができます。

田への、水害による影響はさまざまです。

まず、水と一緒に流れ着いたゴミや、アルミニウム工場の爆発による飛散物の撤去作業が必要です。
コンバインが稲を刈り取る際にゴミが混ざらないように、稲刈り前にゴミを1つずつ撤去します。
水が引いた翌日から、ボランティアの方々が大きなゴミの片付け作業を行ってくれましたが、まだ細々としたゴミが散らかっているところもあります。
今もボランティアの方々のお力を借りて丁寧に作業を行っているところです。

 

浸水によって、農機具が使えなくなってしまいました。
稲刈りの時期に欠かせないコンバインなどの農機具も、水に浸かってしまって使えなくなりました。
そこで、地区の代表者が大型農機具を購入し、みんなの田んぼの稲刈りを行います。
ちょうど今頃が稲刈りの最盛期。今年は地域を挙げての共同作業になりました。男性陣は収穫し、女性は炊き出しで彼らを支援しています。

稲刈り

炊き出し

 

来年の田植えまでにも課題は山積です。
水害で弱ってしまった土を改良しなければなりません。

 

このように、水がひいたからといって、浸水前と同じような農業を行う環境に戻ったわけではありません。
下原地区の生産者の方々の平均年齢は70歳近くになります。
後継者不足も深刻ですが、今まで通りの田畑に戻すことさえも一苦労です。

未曽有の被害を受けた総社市ですが、例年よりは少ないながらも、今年もお米が収穫できています。
水害に耐えた奇跡のお米は、五つ星お米マイスター・西島豊造さんの手で、おいしいブレンド米「総社応援米」として、全国のみなさまにお届けします。
田畑に限らず、家屋や道路など、もとの生活を取り戻すまでにはまだまだ時間がかかります。
もとのおいしい総社のお米ができるようになるまで、総社市や被害に遭った西日本各地のみなさんがもとの生活に戻れるまで、どうか温かく見守っていただければと思います。

0