復興に向けた指針「総社市復興ビジョン」

平成30年7月の西日本豪雨により、浸水や土砂崩れなど甚大な被害を受けた総社市。
多くの人的被害や家屋被害などの生活基盤へのダメージに加え、地域経済へも大きなダメージを受けました。
この豪雨災害からの復興に向け総社市は、災害を乗り越えてさらに飛躍する未来の総社市の姿を明確にするために「総社市復興計画」を策定するにあたり、その道しるべとなる 「総社市復興ビジョン」を策定しました。

 

「市民に寄り添う『絆』のまち そうじゃ」

「総社市復興ビジョン」の基本理念として「市民に寄り添う『絆』のまち そうじゃ」を掲げます。
この基本理念には、災害からの復旧に向けた取り組みの中で、市民やボランティア、全国からの支援など多くの人々に支えられ、そこに様々な「絆」が生まれたことに対する感謝の想いを込めています。
そして、この「総社市復興ビジョン」を支える柱として、総社市は3つの基本方針を定めました。

 

 

「強くてしなやかなまちづくり」

今回の豪雨により、総社市は基盤施設の被災や河川の氾濫、中山間地域へのインフラの悪さなど、災害に対する社会基盤のもろさが浮き彫りになりました。
そのため、被災地の早期復旧に取り組むとともに、既存の基盤施設の強化と災害に強い社会基盤の整備を進め、災害に強いまちづくりに取り組んでいきます。
具体的には、排水ポンプの設置などで河川の氾濫を防ぐ対策や、緊急車両が通行可能な道路の整備などを行う方針です。

また、災害はいつ・どこで・どのように起こるかわからないものであるため、万が一の事態にもしなやかに対応できる体制づくりも進めていきます。
防災拠点の設置や防災備蓄品の充実と配置場所の整備、緊急車両や救命道具の整備など市民の安全を守るための体制を整えていく方針です。
これらに加え、市のホームページやSNSを活用した降雨量・河川の水位・避難者情報など、災害時でも円滑に情報伝達できる体制を整えていきます。

 

「人口・経済が上昇するまちづくり」

今回の豪雨は家屋被害のみならず、農業・商工業にも大きな被害を及ぼし、総社市からの人口流出や地域経済の停滞が懸念されています。
総社市はこれまで、「障がい者千五百人雇用」や「子育て王国そうじゃ」をはじめとする福祉施策の展開により「全国屈指の福祉文化先駆都市」を目指して弱者にやさしいまちづくりを進めてきました。
こうした福祉活動により地域の「絆」が育まれており、災害時の声かけとなって迅速な避難行動へとつながりました。
そのため総社市は、都市基盤の整備はもとより、地域の「絆」がより育まれるような活動への支援を積極的に行っていきます。
また、広域交通網の充実している総社市の強みを活かし、企業誘致などによる雇用の創出と人材確保を進めるとともに、災害からの復興を祈願した「災害を乗り越えた下原”福”興米『いよべ』」のPR活動で農業の活性化を図るなど、地域経済の向上に取り組んでいきます。

 

「下原地区・昭和地区の復興と新たなまちづくり」

今回の豪雨により、特に大きな被害を受けた下原地区と昭和地区。
災害からの復旧に取り組むことはもとより、長年住み慣れた地域でいつまでも安心して暮らしていけるまちづくりが重要になります。
そのため、総社市は2回にわたり下原地区・昭和地区の住民を招いた意見交換会を行いました。
意見交換会には計169人の住民の方に参加いただき、仮設住宅の入居期間に対する不安や住宅再建への補助制度、河川の伐木や堤防の強化など暮らしに関わる意見から、豪雨の経験を財産化して後世に語り継いでいくなど、将来のまりづくりに向けた前向きな意見をいただくことができました。
この意見をもとに総社市は、復興住宅の整備など住まいの確保への継続的な支援や住民の安全を守る対策を行うとともに、単なる復興ではなく、住民が安心して暮らしていける新たなまちづくりにも取り組んでいきます。

総社市の復興への取り組みは動き出したばかりです。
多くの方々の支援が必要な状況には変わりありません。
全国のみなさまに、総社市の復興、新しいまちづくりについて長期的な応援をいただきたくスタートした「総社応援PROJECT」。
これからも多くの方々にご支援いただければ幸いです。

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